解体
秋葉原のとある店でキカイをバラしてもらった。
親父さんは工具箱の中のあらゆる工具をとっかえひっかえ、時折手袋さえ変えながらキカイの細かいパーツを解体していく。大きなスピーカーの土台を外すと細かい歯車が現れ、それも外すとまた大きなバッテリーがでてくる。外されたケーブルは太さが違うパスタみたいにくるくるとテーブルの上に盛り上がってくる。部品が積み重なるにつれてオイルの少しココナッツにも似た匂いが漂ってくる。細かいパーツが作業台から落ちる。だが親父さんは手を止めない。パーツと工具を行き来する手ににじむ汗が蛍光灯に照らされ光って見える。キカイは既に文字通り原型を留めないほど小さい姿である。四角い箱状のものが四箇所ネジで筐体に固定されている。筐体は既に周りのケーブルなど抜き取られていてツルツルしている。親父さんは鼻息荒らげにネジを外す。筐体から四角い箱が抜き取られる。箱には蓋がついていた。蓋を開けた。親父さんはニマアと笑った。