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12月, 2025の投稿を表示しています

旅の思い出

人はそれぞれの目的を持って、思索する暇もなく行き交う。 決して都会ではないのだが、人々はどこかせわしなかった。 水牛が純粋な目を正面に向けながら荷物を背負い商人に率いられて行く。 木枯らしが枯れた柳の葉を道に撒き散らす。 柳がまだ緑だった頃、私はこの辺りで美味しいと有名な茶庵で茶をいただいた。 座って茶を待っていると、壁の丸い窓からまだ少し幼い少女が洗濯物を腕に抱えて鼻歌交じりに歩いているのが見えた。 少女は私の目線に気づき少しはにかんで中国語で何か呟いた。 その数秒後にお茶が運ばれてきた。 雀が鳴く声がした。

厄介なもの

薄い膜の下に黄色い中身がはち切れんばかりに詰まっていました。 卵の黄身を思い浮かばせるそれは、あまりにも傷つきやすく、実際、ナイフを突き立てられると、(実際にはナイフの先端が、突くか突かないか曖昧な場合でも、)、黄色い中身が溢れました。 黄色い中身は飛び散って皮膚をかぶれさせました。 次の日にはまたパンパンにそれは膨らんでいました。 それは、感受性という名で呼ばれていました。

四つ葉のクローバー

子供が四つ葉のクローバーを見つける。 幸運など信じられないその子供は葉を四つにちぎってしまった。 四つの葉をそれぞれ土の中へ埋葬した。 なぜか涙がでた。 大人になってもその埋葬の記憶が時々思い出された。 あれから、相変わらず不幸な人生だ。それはただ四つ葉のクローバーをちぎったから、そう思いたい。

キング・ナニモスルキ・オキナス…

だら〜〜〜。 やる気が真夏のソフトクリームのように溶けて垂れて床に染み入る…。 少し開いた窓から蟻さんが列をなして床に這ってくる。 私が残ったカップコーン(容れ物)だとすれば中は真っ暗でそれはすなわち憂鬱だ。 蟻さんたちが私に近づくと憂鬱の引力の内に吸い込まれる。 …実は蟻さん勤労パワーこそ私のやる気メーターを少しずつ満たしてくれているのだ。

電波塔のいたずら

夜。 電波塔からの目に見えない電磁波が夜の空気を震わせている。 港が見える街である。 会社のビルの屋上から夜の海が展望できる。 手に持っているコーヒーの空き缶が震えている。 電波塔の仕業である。 小刻みに震える空き缶を耳に近づける。 聴こえる。 『ミッ…ナイト…コーヒー…ショー』

タイカレーざんまい

ヤマモリのカレーバラエティセットをヤフーショッピングで買った。 というのもセールとクーポンの組み合わせで半値以上安く買えたからである。 カレーはいつもスーパーで見るイエローカレー、グリーンカレーの他にプリック、ゲーン・パーなど聞き慣れぬ本格タイカレーが10食くらい入っていた。 そして今私はそのほとんどを食べ終えてこれを書いているのだが、結論として市販でよく見るイエローカレー、グリーンカレーが結局一番美味しいということがわかった。(マッサマンはなかなか美味しかった) やはり個性的なカレーは味も尖っていて安定感がなく、食べてもはてなマークが浮かんでしまう。その点イエローカレー、グリーンカレーは安心できる味のバランスだ。 この数日間のカレー生活、バラエティに富んで面白かったが、満足度はそれほど高くなく、もう一度試したいかと言われればノーである。 あとこれは、自分自身についての発見なのだが、胃が弱いくせにカレーの激辛スパイスではあまり胃は荒れないことがわかった。(ゲーン・パーとか激辛だったのに…)