魚が泳いでいる。

40cm四方の水槽に細長い淡水魚がそこで止まったかのように一匹泳いでいる。

魚の他には白い細かい砂が底に敷き詰めてあって一つだけレンガで出来たトンネルが申し訳程度に設置してある。

実際のところ魚は何も考えていない。

ただ、そこにいた。

水槽が置いてある部屋には君がいる。

白を基調にした6畳間にミニマリストにしては少し多い程度の手荷物が床に綺麗に並べられている。

昼白色の照明が明々と部屋を照らしている。

この部屋には魚と君の影がある。

君は魚を見つめている。

魚は君の方を向いているが見てはいない。

魚は何も考えていない。

君も何も考えていない。

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