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11月, 2025の投稿を表示しています

アマゾンフォト

アマゾンフォトを初めていじった。 プライム会員なのに今まで触ったことがなかった。 初めての設定で不必要な写真まで大量にアップロードしてしまい延々と削除作業をした。 横に細長いフレームの可愛い絵を何枚か選りすぐりアルバムを作ってfireTVのスクリーンセーバーにした。 スクリーンセーバーの画面が見たいのでスクリーンセーバーになるまでの待機時間が煩わしかった。 可愛い絵が大画面に映り嬉しかった。 小さな幸せ。 言うても、スクリーンセーバーなんて普通にしてて見る機会あまりないけど。

細切れの刺し身

細切れのトラウトサーモンの刺し身が夕方3割引で売っていた。 わさびを醤油に多めに入れた。細切れだとサーモンの味がどうせぼやけているしと思ったからである。しかし、もはやわさび醤油の味になってしまった。 結局、細切れは多めに入っていたのに満足感は少なかった。枚数が少なくてもちゃんとした肉厚の切り身で食べるべきであった。 夕方のスーパーはものが安く売っていてワクワクするが、安さに釣られて失敗することも多い。 気をつけねば。

マシュー

イギリスのある大学の敷地内のフットボールコートの隅に小さなハルジオンの花が咲いた。 よく整備されたフットボールコートだったから比較的珍しいことだった。 パグ犬のマシューは散歩中ここを通ると必ず花を鼻先で嗅ぎ、少し吠えた。 そして名残惜しそうに去っていく。 マシューは花を愛していた。 大きなフットボール大会が開かれることになった。 マシューも飼い主に連れられて大会を見に行った。 実をいうと彼は大会より花のことが気になっていた。 飼い主を引っ張って花を見に行くと花の上には本が立てかけられていた。 マシューはびっくりして吠えた。 本を咥えてどかそうとすると眼鏡をかけたパーマの青年が本を持ち上げた。 開いたページには、植物の図が描かれていて、そのページにハルジオンの黄色い花粉が少しついていた。 その青年はここの学生でマシューという名前だった。 ハルジオンの花が踏まれないように手持ちの本を立てかけていたのだ。 マシューはマシューを撫でると花の前であぐらを組みフットボールを二人で観戦した。

解体

秋葉原のとある店でキカイをバラしてもらった。 親父さんは工具箱の中のあらゆる工具をとっかえひっかえ、時折手袋さえ変えながらキカイの細かいパーツを解体していく。大きなスピーカーの土台を外すと細かい歯車が現れ、それも外すとまた大きなバッテリーがでてくる。外されたケーブルは太さが違うパスタみたいにくるくるとテーブルの上に盛り上がってくる。部品が積み重なるにつれてオイルの少しココナッツにも似た匂いが漂ってくる。細かいパーツが作業台から落ちる。だが親父さんは手を止めない。パーツと工具を行き来する手ににじむ汗が蛍光灯に照らされ光って見える。キカイは既に文字通り原型を留めないほど小さい姿である。四角い箱状のものが四箇所ネジで筐体に固定されている。筐体は既に周りのケーブルなど抜き取られていてツルツルしている。親父さんは鼻息荒らげにネジを外す。筐体から四角い箱が抜き取られる。箱には蓋がついていた。蓋を開けた。親父さんはニマアと笑った。

自販機

自販機の前に立っている。   暗がりの片隅を、ぼんやりと照らすその光。   ジー……という稼働音だけが響く、無音の空間。   ここは、深夜の病院だ。 二時間ほど前まで、右耳の激痛にのたうち回っていた。   ようやくの思いで救急外来に辿り着き、診察を受けると、耳の奥に膿が溜まっていたらしい。   それを抜いてもらい、鎮痛剤も処方された。   今は、痛みもだいぶ和らいできた。 夜の病院でも、自販機は眠らない。   時折、患者が光に吸い寄せられる蛾のように現れては、ガシャンとジュースを買っていく。   そしてまた、闇の中へと消えていく。 眠気覚ましにアイスコーヒーを飲もうと、ボタンに手を伸ばした。   少しかがんで缶を取ろうとしたとき、床に一枚の付箋が落ちているのに気づいた。   『のどじまん大会』   そう書かれていた。 のどじまん大会?   NHKのあれだろうか。   それとも、学校や職場で開かれる私的なもの?   想像しても答えは出ない。   けれど、なぜかこの病院のどこかにいる誰かの、大切な約束のような気がしてならなかった。 ジー……ガガッ。   自販機が音を立てる。   私はその付箋を、なんとなくおつり返却口の近くに貼り付けた。   私が病院を出たあと、剥がれ落ちてしまうかもしれない。   それでも、いいと思った。

手紙

そよ風がレースのカーテンを揺らす。窓の外には絶景が広がっている。 白い砂浜に青い海、その上にまた青い空。 カモメが太陽を背に受けて海に影を落としている。 赤や黄のパラソルがまばらに砂浜に刺さっている。だが人はいない。この世界には人はいない。観察者である僕自身もそこにはいないのである。 僕は東京、目黒のあるマンションにいる。 部屋の電気はついてない。薄暗い部屋。東京特有の曇り空からわずかに差す日光が僕の部屋にまで届いている。 あの日あの人からの手紙を読んだ。抑揚のない文章、しかし、ときどきわざとらしい強い言葉が使われていた。なんだかこの部屋の外の室外機の音のようだった。 そのあと僕は抗鬱薬を飲んだ。それから3日間僕はベッドから動けていない。 そういえば、手紙はザラザラとした感触だった。もしかするとあの手紙には麻薬のようなものが付着していて、それを触った手で抗鬱薬を飲んで……こうなってしまったのだろうか。 海が見える。誰もいない海。そういえば手紙の消印がなぜか8月だった。