楽しい正月 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 1月 07, 2026 やはりクリスマス、正月の期間は自分の孤独が強調され、さみしかった。スーパーに行くと家族連れがご近所さんと偶々出会ったのか通路の真ん中で新年の挨拶をしていた。子供はつまらなそうにカートの周りをじたばたしていた。正月特有の食材も少なくなった。最近睡眠時無呼吸症候群のせいで、寝ても全然眠気が取れず、こんな調子で来年も年を越せるのだろうかと今から不安になってくる。年を跨いでから寒さは本格的にやってくる。寒さがフリースを突き抜ける。夏は嫌いだが、冬も考えようだ。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
ペロウ 2月 01, 2026 船に密航する。 真っ暗な海原にぼうっと浮かび上がる巨大な山のような船、それがセントマレー号だ。 影の国の使者たちが実体もなく動かしているその船は、まさに幽霊船だった。 対して、私たち二人のボートは小さな波しぶきひとつで転覆しそうだ。 ネズミのペロウが言う。 「船の設計図どおりなら、吸水口から中に入れるはず」 「中で二手に分かれるんだ。僕を信じて!」 ペロウのまん丸な瞳に、不安そうな私の顔が映っている。 ついに巨大船の横にまで寄せると、すごい引き波で倒れそうになる。 そのとき船はものすごい音を立てながら、ゆっくりとカーブし始めた。 「いけない!」 波から波が生じ、ボートは激しく揺れて転覆した。 ペロウの手をつなぎ止めたまま、私たちは海へ投げ出された。 二人とも少し流されたボートのオールに必死で捕まろうとするが上手く掴めない。 波にもみくちゃにされ、ついにペロウと手が離れてしまう。 私は水を飲み込みながら叫んだ。 「信じる!」 ペロウは海の底へ沈んでいった。 私は船の給水口に吸い込まれていった。 気がつくと、薄暗い部屋の中で私は横になっていた。 誰かの 「おやおや、大変なことだ、大変なことだ」 という声で目が覚めた。 そこには三角形の顔をした痩せたカマキリのおじさんがいて、古い救護セットのようなものを手のカマで開けようとしている。 「おや、気がついたかい? 手がこれなもんでねえ、開かなくてねえ」 私ははっとした。 「ペロウは? ネズミの男の子は?」 「知らないねえ。でも、あなたが無事で良かった」 私は大声で泣いた。 続きを読む
不安 2月 02, 2026 俺は不安だ。 何か具体的に悩み事があるというより、漠然とした不安が時折襲ってくるのだ。 今日も通勤中、歩道を歩いていると突然それがこみ上げてきた。 呼吸が速くなり、動悸がドンドンと胸に響く。 胸が締め付けられる。 今日は発作が酷い。 だが街行く人は俺など気にも留めず歩いている。みんな余裕がないのか。 もう駄目だ。救急車を呼ぶか? そう思った瞬間、俺は足を崩してしまった。 すると猛烈な吐き気が襲ってきた。なんだこれ?こんなのは初めてだ。 駄目だ。道の真ん中だが堪え切れない。 オエェ!! 俺は吐き出してしまった。 黒い塊のようなもの。そこから薄い霧が立ち昇っている。 俺は呆然と、俺が吐き出したそれを見つめていた。 霧は次第に濃くなり、輪郭を帯びてくる。 塊は小さくなり、その代わり霧が形を成していく。 やがて、それは人のような姿になった。 黒い霧の人だ。 朝日は通りを、何事もないかのように明るく照らしている。 俺は恐る恐る霧の人に話しかけた。 「お前、妖怪か何かか? 人間なのか……」 霧の人はしばらく無言で立っていた。 そもそも周りの人間には見えていないのだろうか。こんな異常事態を。 そう思って視線を巡らせ、俺はあることに気づく。 街行く人のあいだに、ぽつりぽつりと霧の人が混じっている。 歩いている。立ち止まっている。 今も、別の霧の人が俺の横を通り過ぎていった。 「お前らは誰なんだ……?」 黒い霧の人は答えることなく、どこかへ歩いていってしまった。 結局、こいつらが何なのかは分からなかった。 だが不思議と、俺の胸は軽くなっていた。 悪い憑き物が取れたみたいに。 朝の街は相変わらず忙しなく、人々はそれぞれの場所へ向かっている。 俺はその流れに戻りながら、ふと思った。 ……みんな苦労してるんだな。 続きを読む
坂本龍一のアルバム 2月 01, 2026 坂本龍一のアルバムが机の上にある。 今、私は生活に余裕がなく満足に音楽を聴くことができない。 ただ、暗い部屋の一室で陽の光に撫でられるように置いてあるそのアルバムが目に入ると、自然に耳に坂本龍一の音楽が流れてくる。 たった2秒だけでもあの日聴いた音楽が全て思い出され、心が安堵する。 今はまだ落ち着いて聴けないけれど、また落ち着いたら彼に再会しようと思う。 続きを読む