宮殿の鳥

宮殿前の広場に、数万羽の渡り鳥が群れている。
男が目を凝らすと、その中に見覚えのある脚を見つけた。
その鳥の脚には、絆創膏が巻かれている。
巻き方が雑で、端が少し浮いている。
以前、自分が巻いたときのままだ。
男は棍棒を手にしている。
鳥たちは飛び上がり、広場は羽と糞で荒れる。
男は何度も振り回すが、届かない。
やがて、絆創膏の鳥が群れの端に現れた。
男のほうを見ることはない。
他の鳥と同じ向きで、同じように立っている。
男の顔がこわばる。
棍棒を握る手に力が入る。
棍棒は一直線に飛び、鳥の頭に当たった。
鳥はその場に倒れる。
男が近づこうとしたとき、群れが押し寄せた。
男と鳥の姿は、羽に隠れて見えなくなる。
次の日、鳥の群れは宮殿からいなくなっていた。
朝の石畳に、血のついた棍棒が落ちている。
そのすぐそばに、切り離された鳥の脚がひとつ転がっている。
その脚には、男が巻いた絆創膏が残っていた。

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