干されてみた
洗濯物に紛れて、自分も干されてみる。
ちゃんと自分も濡れているか、確認してから。
それにしても今日は日差しもよく、風通しもいい。
まさに洗濯物日和だ。
体の端のほうから、気化熱でスースーしてくる。
近所の子どもたちが、近くでサッカーをしているらしい。
私も昔は、サッカー部に憧れたなぁ。
今は一枚の洗濯物だけど……。
風が少し強く吹くと、周りの洗濯物たちがバサバサと揺れだした。
私も手足がばたばたと激しく揺れ、
その体の軽さから、完全な乾きが近いことを察する。
──夢を見ていた。
夢の中の私は人間で、
体にシワも増えてきた初老の男性だった。
カンカン照りの太陽が背中を焼く。
暑くて動けなくなり、その場に寝転がっていると、
突然、太陽から足が伸びてきて、踏みつけられてしまう。
するとあら不思議、
全身のシワがなくなり、若者同然の姿に戻って……。
そこで私は目を覚ます。
これは、私の物語だ。
そして私は人間ではなく、
人間に憧れる一枚の洗濯物だったことを思い出す。
夕刻。
私の体はすっかり乾ききり、シワはなくなっていた。
ところどころほつれた着ぐるみは、
明日のショーに、また駆り出される。