鐘の音

カビた黒いパンを水で少しゆすぎ牛乳に浸して食べた。
牛乳の白が灰色になった。

窓の外をそっと覗いてみる。
生きた人間は見当たらない。
カカシに止まった二、三羽のカラスのうちの一羽と目があった。
目を逸らす自分を嘲笑うかのように鳴き始めた。

夜になった。
戸に鍬を引っ掛けておいた。
鐘の音は今日も鳴らなかった。
部屋の東の聖像に祈った。

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